コイン (coin) ともいわれる。ただし、経済学では硬貨とはハードカレンシー(国際決済通貨)や本位貨幣を指すことばである(逆に「軟貨」ソフトカレンシーとは国際決済に用いられない・用いることが出来ない通貨)。一般には硬貨はコインのことを表すので、この項目ではコインについて述べる。ハードカレンシーや本位貨幣については各々の項目を参照されたい。
かつてコインは基本的に金や銀の素材金属の価値と額面の差の無い本位通貨として鋳造されることが多かったが、現在では素材の価値と額面の差が大きい補助貨幣のみが専ら流通しているが、これは管理通貨制度のもとの不換紙幣を補完するためのものである。
硬貨は一般的に丸い形をしている物が多いが、四角、五角、六角、七角、八角など多角形をしたもの(しばしば定幅図形となっている)、周囲を帆立貝状にしたものなどが流通しており、真ん中に穴を開けた物も、各国に存在する。この穴は、古来紐を通して保存する目的で空けられたが、現在のコインは小額かつ小型であまりその有用性は重んじられていない。しかし、同じ大きさのコインの触感による弁別を容易にするため、この意味での穴の存在価値はある。流通を目的としない収集家向けの硬貨にはギターの形や国の地図の形など特殊な形態の硬貨も存在する。
周囲に溝(ギザギザ)が刻まれた硬貨は世界中に有るが、そもそもこの溝は原材料の不正入手を防ぐために生み出された発明である。昔ある国に、金貨の周囲を不自然にならない程度に鑢で削ってその削り滓を不正に手に入れるという犯罪が流行した。その国では対策として、金貨の周囲に溝を刻み少しでも削ると目に見える変化が現れるよう金貨を改良した。現在の貨幣に見られる周囲の溝はこの対策の名残である。また、この周囲のギザは目の不自由な人にとって、硬貨の選別を行う重要な手段であり、現在のユーロ硬貨などでは、ギザギザのみならず、窪みや溝など額面によって判別が容易になるように工夫されている。
日本の一円硬貨やアメリカ合衆国の1セント硬貨などは額面以上の製造費用がかかっており、製造すればするほど赤字となっている場合がある。これらは便宜上需要があるため製造を打ち切れない為である。また硬貨には金属貯蔵の目的もあった。たとえば1933年に日本が製造した「昭和8年銘」の10銭と5銭硬貨は純ニッケル素材であったが、これは予測される有事に備えて、兵器の材料として不可欠なニッケルを輸入する口実としてあえて素材を変更したものであったという。いわば戦争物資のストックの隠れ蓑であった。実際に戦争中は流通していた銀貨やニッケル貨を回収して紙幣やアルミ貨、錫貨に置き換え、陶貨の発行も準備された(臨時補助貨幣)。
紙幣には番号が印刷されているが、硬貨は金属板を打ち抜いて作るため番号を一枚毎変えるには膨大な版型を必要とし、現実には不可能のため発行年度が刻まれる。かつ品質保持のため万が一、不良品が出た場合でも、解消の対応策がとりやすい。
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